- 民事信託とは?
- 民事信託の基本的な仕組
- 民事信託の具体例
- 民事信託が認知症対策として注目される理由
- 民事信託の特長
5_1. 柔軟な財産管理ができる
5_2. 家族による財産管理が可 - 民事信託を検討すべきケース
- 民事信託は専門的な設計が重要です
1. 民事信託とは?
主に、ご自身の財産管理を信頼できる家族などに任せる仕組みです。
例えば、高齢の親が、将来の認知症に備えて子どもに財産管理を託し、その財産を親自身や家族のために使ってもらう、といった形で利用されます。
近年では、相続対策や認知症対策として注目されています。
例えば、親が認知症になった場合、預金を預かっている銀行が、判断能力のない親に金銭管理をさせるわけにはいかないと考え、口座を凍結するケースがあります。
その場合、親族が成年後見人に就任して、親の財産を管理する権限を持てば、親の預貯金通帳の凍結は解除されます。
しかし、成年後見は家庭裁判所の監督に置かれるなど、制度としての信頼性が高い一方で、いったん始めたら勝手にやめられない、親族などの希望者が成年後見になれるとは限らないなど、制度設計に硬直的な面があります。
2. 民事信託の基本的な仕組み
民事信託では、主に次の3者が登場します。
委託者
財産を持っており、その管理を任せる人です。
多くの場合、親などの高齢者が委託者となります。
受託者
委託者から財産管理を任される人です。
一般的には、子どもなどの親族が就任します。
受益者
信託財産から利益を受ける人です。
委託者自身が受益者になるケースも多くあります。これを専門用語で「自益信託」と言います。
3. 民事信託の具体例
例えば、父親が所有している預貯金や不動産について、長男に管理を任せるケースを考えてみましょう。
高齢になると、将来的に判断能力が低下する可能性があります。
認知症などによって判断能力が低下すると、本人名義の預金を動かしたり、不動産を売却したりすることが難しくなる場合があります。
しかし、事前に民事信託を設定しておけば、受託者が契約内容にしたがって財産管理を継続できるため、以下のような財産管理の継続ををスムーズに行うことができます。
- 毎月の生活費を渡す
- 介護施設の費用を支払う
- 不動産を管理する
- 必要に応じて不動産を売却する
4. 民事信託が認知症対策として注目される理由
実務上、民事信託は、委託者兼受益者の認知症対策として利用されることが非常に多くなっています。
高齢になると、将来的に判断能力が低下する可能性があります。
認知症などによって判断能力が低下すると、本人名義の預金を動かしたり、不動産を売却したりすることが難しくなる場合があります。
しかし、事前に民事信託を設定しておけば、受託者が契約内容にしたがって財産管理を継続できるため、以下のような財産管理の継続ををスムーズに行うことができます。
- 預貯金の管理
- 生活費の支払い
- 介護費用の支出
- 不動産の管理や処分
5. 民事信託の特長
5_1. 柔軟な財産管理ができる
民事信託は、成年後見制度と比較して、柔軟な財産管理が可能です。
例えば、以下のような、家庭ごとの事情に応じた設計ができます。
- 不動産の管理・運用
- 収益不動産の承継
- 障がいのあるお子様の生活支援
- 二次相続を見据えた承継設計
5_2. 家族による財産管理が可能
受託者を家族にすることで、本人の希望に沿った財産管理を行いやすくなります。
6. 民事信託を検討すべきケース
次のような場合には、民事信託の活用を検討する余地があります。
- 将来の認知症に備えたい
- 不動産の管理を家族に任せたい
- 収益不動産を円滑に承継したい
- 障がいのある子の生活を長期的に支えたい
- 相続発生後のトラブルを防ぎたい
7. 民事信託は専門的な設計が重要です
民事信託は、非常に柔軟な制度である一方、契約内容の設計が重要になります。
信託の目的や家族構成、財産内容によって、適切な契約内容は大きく異なります。
そのため、民事信託を検討される場合には、相続・信託分野に詳しい弁護士へ早めに相談することをおすすめします。