遺産分割の死角|疎遠な兄弟姉妹-8-不在者財産管理人⑤申立後の流れ
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ご家族(親御さんなど)が亡くなられた後、遺産を相続人の間で分ける必要がありますが、「何から手を付ければよいかわからない?!」という方は少なくありません。
遺産分割を進めるためには、まず以下の情報を正確に把握することが必要です。
・相続人の範囲(誰が相続人になるのか?)
・各相続人の氏名・住所
・遺産の内容(どのような財産があるのか?)
・遺言書の有無およびその内容
そのため、遺産分割の第一歩としては、次の3点について調査することが重要です。
・相続人の範囲および各相続人の氏名・住所
・遺産の内容
・遺言書の有無と内容
① 相続人の範囲の確認の重要性
例えば、同居していた親御さんが亡くなられた場合、一般的には相続人は配偶者と子どもになります。
親御さんがいずれも初婚で、一生を添い遂げられた場合、家族関係が明確であり、相続人の範囲に疑いがないケースも多いでしょう。
しかし、以下のような場合には注意が必要です。
・親が再婚しており、前婚の家族がいる場合
・交流のない家族が存在する場合
このような場合、相続人の範囲が不明確になることがあります。
遺産分割は相続人全員で行わなければ無効となるため、相続人を一人でも漏らしてしまうと、後に大きなトラブルとなります。そのため、事前に相続人を漏れなく把握することが極めて重要です。
② 戸籍による調査
相続人の調査は、主に戸籍を取得することによって行います。
具体的には、亡くなられた方(被相続人)の出生から死亡までの戸籍を連続して(間が抜けることなく)取得することで、子どもの有無を確認します。子どもは通常、出生時に親の戸籍に記載されるためです。
なお、婚姻関係にない相手との間に生まれた子であっても、認知されていれば、その事実は戸籍に記載されます。
もっとも、出生から死亡までの戸籍を漏れなく収集する作業は、一般の方にとっては非常に手間がかかり、慣れていないと難しい場合があります。取得した戸籍が本当に連続しているか(間が抜けていないか)不安になることも少なくありません。
そのため、このような調査は、実務に慣れている弁護士に依頼することをお勧めします。
③ 住所の調査
各相続人の住所については、「戸籍の附票」を取得することで確認することができます。
④ 法定相続情報証明制度
平成29年(2017年)から、「法定相続情報証明制度」が開始されています。
これは、被相続人の出生から死亡までの戸籍等を収集し、「相続関係説明図(法定相続情報一覧図)」を作成して法務局に提出し、登記官がその内容が法的に正しいことを確認すると、その旨の認証を受けられる制度です。
この制度を利用すると、認証された一覧図を銀行手続や不動産の相続登記などに利用でき、戸籍一式を何度も提出する手間を省くことができます。
遺産の内容は多岐にわたり、それぞれ調査方法が異なります。
① 預貯金
預貯金については、以下の資料等を手がかりに口座の有無を確認します。
・通帳
・キャッシュカード
・スマートフォン内の銀行アプリ
その上で、該当する金融機関に対して残高や取引履歴の照会を行います。
② 有価証券(株式・投資信託など)
株式や投資信託などは、証券会社から定期的に送付される取引報告書や残高報告書を確認することで把握できます。
③ 不動産
自宅などの不動産は把握しやすいですが、それ以外の不動産の有無については注意が必要です。
調査方法としては、以下のようなやり方があります。
・固定資産税の納付書の確認
・市区町村の固定資産税課で「名寄帳」を取得
名寄帳を取得することで、同一市町村内に所在する不動産を一覧で確認することが可能です。
④ 預貯金口座の一括照会制度
令和7年(2025年)4月から、マイナンバーカードと預貯金口座を紐づける制度(預貯金口座付番制度)が開始されています。
この制度により、被相続人が口座を紐づけていた場合には、「相続時口座照会制度」を利用して、対象口座を一括で照会することが可能です。
ただし、この紐づけは任意であるため、紐づけされていない口座については照会しても判明しない点に注意が必要です。
また、一括照会は有料であり、結果的に口座が判明しなくても、お金は戻ってきません。
① 公正証書遺言
公正証書遺言が作成されている場合は、公証役場に照会することで、その有無を確認することができます。
② 自筆証書遺言
自筆証書遺言の場合は、被相続人の自宅や保管場所を確認し、遺言書が残されていないかを調査する必要があります。
③ 自筆証書遺言保管制度
令和2年(2020年)7月からは、「自筆証書遺言保管制度」が開始されています。
これは、自筆で作成した遺言書を法務局に預けて保管・データ化してもらう制度です。
この制度を利用している場合には、相続人が法務局に照会することで、遺言書の有無や内容を確認することができます。
遺産分割を円滑に進めるためには、以下の3点の調査が不可欠です。
・相続人の確定
・遺産の内容の把握
・遺言書の有無の確認
これらの調査は専門的かつ煩雑になることも多いため、不安がある場合には、早い段階で弁護士へご相談いただくことをお勧めします。
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