遺言書トレンド

遺言書トレンド

少子高齢化の時代、つまり、「長生き」と「子供が少ない」この時代、周りに迷惑をかけずに最期を迎えたいといった考えを持つ人が増え、「終活」という言葉も生まれました。
自分の遺した財産をどうやって分けるかも「終活」の一つです。財産を子供、あるいは、甥御、姪御に譲りたいが、どうすればいいか、といったことは、「終活」を考えるうえで、大きな悩みになることもあると思います。

遺言書は、このような悩みを解決する一つの重要な手段です。

裁判所の司法統計によると、遺言書に関する調停、審判の数は増加傾向にあります。

例えば、遺言書の検認申立ですが、1995年には、全国で8065件だったものが、2019年には、1万8625件に増えています。遺言書の検認は、自筆証書遺言(遺言者が自分で手書きした遺言書)について、必須と言ってもいい手続きですので、自筆証書遺言を書く人が、それだけ増えたということです。遺言執行者の選任も1995年には、全国で1235件だったものが、2019年には、2531件に増えています。遺言執行者は、遺言に書かれたことを、例えば、預貯金を解約して、相続人に引き継ぎ、不動産を相続人に所有権移転登記をするなど、遺言書内容を執行する人のことですが、遺言執行者が増えたということは、遺言の執行が増えた、ひいては、遺言書を残した人が増えたということが推測されます。
これも、少子高齢化に伴い、自分の老後あるいは亡くなった後のことに不安を覚える人が増え、「終活」の一つとして、遺言書を作成する人が増えたのだと思います。

相続人が一人であればいいですが、複数あれば、誰がどの遺産を引き継ぐか、ご自分の死後、子供たちが悩むかもしれません。あるいは、逆に、自分の子供がいない場合、結婚されている方は、配偶者が全部引き継ぎますが、配偶者がなくなったときに誰が引き継ぐのか(自分の側の甥姪か、配偶者の側の甥姪か)、あるいは、結婚していない人は、誰に財産を引き継いでもらうのか(相続人がおらず、遺言書もないと、遺産を国に取られてしまう恐れさえあります。)、という問題があります。

そういった問題に対して、
自分が生前にどうするか決めることができるのが、遺言書です。

しかし、一方で、遺言書を作るには、注意が必要です。
遺言書は、法律に従ったルールを守って作らないといけません。そうしないと、遺言書が無効になったり、あとで、遺言書の有効性について、相続人で争いの元になったりします。
遺言書を弁護士に依頼して作成すれば、無効な遺言書になる心配もなく、手続きも弁護士が手伝ってくれるので、ご自分一人で遺言書を作るのに比べ、負担がかなり減ります。遺言の内容をどうするか悩んでいれば、弁護士に相談できます。弁護士を遺言執行者に指定しておけば、第三者的な立場で、公正な遺言書の内容の執行ができ、また相続税の申告について、信頼のおける税理士、会計士を紹介することができます。

ぜひ、専門家である弁護士に遺言書作成をご相談ください。

遺言書の探し方 ~公正証書遺言~

父が亡くなりました。父は生前「遺言書を公証役場で書いた」と言っていましたが、その際は”そうなのか”くらいに聞き流していました。父が亡くなったあと”父の遺志に従って遺産を分けよう”と思って探…

続きはこちら

後継ぎ遺贈は有効か?無効か?

本サイトの別のページで、後継ぎ遺贈は、裁判例、学説において、有効なのか無効なのかについては、はっきり決まっておらず、無効になる恐れがあるのでやめておいたほうが良いという記事を書いて…

続きはこちら

[相続法改正]自筆証書遺言

自筆証書遺言の書き方について、民法が改正され、平成31年1月13日から、新たな制度が適用されるようになりました。 今回は、自筆証書遺言の書き方についてご説明します。 【解説】 …

続きはこちら

跡継ぎ遺言は要注意!!

相談者のMさんは、70歳を超え、終活を真剣に考え始めた。Mさんは現在、再婚した妻Yさんと二人暮らしだが、死別した前妻との間に3人の子どもがいる。Yさんとの間に子どもはない。 Mさんの…

続きはこちら