遺言書の探し方 ~公正証書遺言~

父が亡くなりました。

父は生前「遺言書を公証役場で書いた」と言っていましたが、その際は”そうなのか”くらいに聞き流していました。

父が亡くなったあと”父の遺志に従って遺産を分けよう”と思って探したのですが、遺言書らしきものは見つかりませんでした。

何か探す手立てはありますでしょうか?

遺言書には、いくつか種類があります。
自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言などです。

今回は、お父さんが公証役場で遺言書を書いた、ということなので、公正証書遺言ということになります。

公正証書遺言の探し方

今回は、公正証書遺言の探し方を説明します。

平成元年(1989年)以降に公証役場で作成された遺言書(公正証書遺言)は、遺言検索システムで探すことが可能です。平成元年以降に作成された遺言書であれば、全国のどこの公証役場で作られたものであっても探すことができます。

例えば、お父さんが、鹿児島に住んでおり、お子さんが福岡に住んでいるとします。お父さんが(おそらく、鹿児島の)公証役場で公正証書遺言を作っていた場合、鹿児島の公証役場で作った公正証書遺言であっても、福岡の公証役場で探すことができます。

福岡市内であれば、福岡市中央区舞鶴に福岡公証役場、福岡市博多区博多駅前に博多公証役場があります。
福岡県内にある公証役場としては、小倉公証役場(北九州市小倉北区)、八幡公証役場(北九州市八幡西区)、行橋公証役場(行橋市)、筑紫公証役場(太宰府市)飯塚公証役場(飯塚市)、直方公証役場(直方市)、田川公証役場(田川市)、久留米公証役場(久留米市)、大牟田公証役場(大牟田市)があります。

公正証書遺言を探したい場合には、まずお近くの公証役場に行かれてください。

遺言書検索システムの利用資格

遺言書検索システムを利用できる人については決まりがあります。遺言者(お父さん)が亡くなった後は、利害関係を持っている人(具体的には相続人)になります。相続人以外で利害関係があるといえるかどうかについては、公証役場の判断になります。

遺言書検索システムを利用できる時期

遺言書検索システムを利用できる時期ですが、お父さんが亡くなられた後に限ります。お父さんが生きておられる間は、遺言書検索システムを利用できるのは、遺言書を書かれたお父様ご自身だけです。

遺言書検索システムを利用する際の必要書類

遺言書検索システムを利用する際に必要な書類ですが、まずは、お父さんが亡くなったことがわかる戸籍です。

また、ご自分とお父さんの関係がわかる戸籍も必要です。

ご自分が結婚等されておらず、お父さんの戸籍に入っていれば、お父さんの戸籍にご自分も載っています。

結婚等でお父さんの戸籍から離れた人は、ご自分が結婚する以前のお父さんの戸籍をとれば、そこにご自分も載っています。

ご結婚後もお父さんが戸籍を移していなければ、現在のお父さんの戸籍をとれば、ご自分も載っています。

お父さんが転籍されていたら、転籍前の戸籍をとれば、ご自分の名前が載っています。

戸籍は、国の制度によりデジタル化されていますが(平成の改製と言います)、このデジタル化以前に結婚された方は、デジタル化により戸籍が改製されるとご自分の名前が戸籍からなくなっていますので、改製前の戸籍をとる必要があります。その場合、ご自分の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード等)が必要になります。

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