疎遠な兄弟姉妹-2-成年後見①

例えば、親が認知症になり、成年後見制度を利用しようと思った時、近くにいて親の面倒を見ている子供が、自分が成年後見人になろうとして申し立てることが多いと思います。
このような際に疎遠な兄弟姉妹がいた場合、どうなるでしょうか?

成年後見申立ては家庭裁判所に申立します。
福岡家庭裁判所では、成年後見申立ての際に様々な書類の提出を求めますが、その中には成年被後見人(つまり親)の推定相続人(仮に親が亡くなった場合に相続人に当たる人)の意見書をもらって出さないといけません。
親から見た相続人ですから、面倒を見て、成年後見を申し立てようとしている人の兄弟姉妹も推定相続人に当たります。そのため、兄弟姉妹全員に「意見書」を書いてもらって裁判所に出さないといけません。

意見書というのは、以下の2点について聞かれます。

1 成年後見制度利用に関して賛成か?
2 特定の親族(ここで言うと、親の面倒をよく見ている子供さん)が成年後見人になることについて賛成か?

疎遠な兄弟姉妹がいると、そもそも連絡も取りづらいし、どこに住んでいるかもわからないこともあるでしょうから、この意見書を取るのに苦労します。
そのため、成年後見の申し立て、その申し立て手続きの進行が遅れ、成年後見人の選任に影響が出ることになります。
どうしても意見書を出してくれない人も出てくると思いますが、そのような場合、裁判所のほうから疎遠な兄弟姉妹に問い合わせをすることになります。

借金を残して亡くなった夫の妻、子供

Aさんは、父とともに小さな料理店を営んでおり、結婚して県外に住んでいる妹が二人いる。父が亡くなり、料理店をたたむことになったが、店舗の改装や、運転資金として父が借りていた多額の借金が残ってい…

続きはこちら

亡くなった親に借金があるかも

大手の商社を定年後の父は、趣味のゴルフや、年に数回の海外旅行を楽しむなど、優雅な老後を過ごしていた。そんな父が亡くなり、忌明けも終わったので、遺品を整理に来たAさんは、父の家の郵便受けから、…

続きはこちら