疎遠なきょうだいが、どこにいるかわからない

相談者A美さん。両親と3人で暮らしていたが、父が他界。

実はA美さんには、B介さんとういう兄がいるが、芸人になりたがったB介さんは、反対した父と大喧嘩の末17歳で家出し、現在まで、どこにいるのか、音沙汰もない。

父からは生前「あいつは勘当した。親でもなければ子でもない。私が死んだら、財産はすべてA美のものだ」と言われていたが、後になって兄から財産を独り占めにしたなどと言われたくもないし、かといって連絡もとれず困っている。

親御さんが亡くなるころは、子供さんたちも独り立ちし、結婚、就職などで県外に住んでいるなど、親御さんとは疎遠になりがちです。

とはいっても、お盆、お正月の帰省や、慶弔時には顔を出すなどして、何かしらの行き来はあるものですが、中には、B介さんのケースのように、親兄弟と全く連絡を取らず、帰省もせず、何十年も疎遠になってしまうきょうだいもいないとは限りません。

遺産分割協議(相続人全員で遺産の分割について話し合うこと)には、相続人全員の合意が必要ですので、B介さんのように、どこにいるかわからないからといって、無視しては進められません。そこで、疎遠でどこに住んでいるかわからない兄弟(または、きょうだいがなくなっている場合はその子供、つまり甥や姪)がいる場合は、どこに住んでいるのか調査する必要が出てきます。

通常、弁護士が遺産分割協議を依頼された場合、被相続人(亡くなった親)の、生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本をとります。子供が生まれれば、一部のケース(例えば、婚外子で父が認知していないケース)を除き、親の戸籍に載りますので、戸籍から相続人である子供を確定できます。

子供が亡くなっている場合は、その子供(甥や姪)が相続人なので、引き続き、甥や姪の戸籍を取得します。

この戸籍を手掛かりに、それぞれの現住所を辿っていくことが出来ます。

戸籍には、戸籍の附票というものがあり、住民票を動かせば、住民票のある市区町村から戸籍のある市区町村に連絡が来て、この戸籍の附票に記載されます。戸籍の附票を見れば、今までの住民票上の住所の移り変わりが全て記載されているので、記載されている一番新しい住所が、すなわち、現在の最新の住民票を置いている住所ということになります。

疎遠なきょうだい、この場合B介さんが住民票を置いたまま、引っ越したりしていない限り、この住所に郵便等を送ることで連絡がつくはずです。

また、携帯電話番号がわかっている場合は、弁護士が、弁護士会を通して、携帯電話会社に照会し、登録している住所や請求書の送付先などを教えてもらう、という方法もあります。

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